「一度見たものをカメラのように記憶できる」といった特殊な能力を持つ人はごく稀に存在しますが、ビジネスや学業で圧倒的な記憶力を発揮している人の大半は、生まれつきの天才ではありません。記憶力がいい人の脳の仕組みを解明した研究によると、彼らは受け取った情報を脳の一次保管庫である「海馬」に送り込む際、無意識に「強い印象」や「既存の知識との関連付け」を行っています。
一般的な人が数字や単語をそのまま丸暗記しようとするのに対し、記憶力がいい人は「この数字は実家の郵便番号に似ている」「この名前は学生時代の友人と漢字が同じだ」といった具合に、すでに脳内にある情報ネットワークと結びつけます。つまり、脳のハードウェア性能が桁違いなのではなく、情報の「ファイリング技術」が圧倒的に洗練されている点が大きな共通点です。
さらに、彼らは「必要な情報」と「捨てるべき情報」の取捨選択が極めて合理的です。何でもかんでも覚えようとするのではなく、不要な情報をあえて切り捨てることで、脳の処理リソースを温存する戦略をとっています。