これまで数々の歴史的大作やVFX巨編を手掛け、日本映画界の第一線を走り続けてきた山崎貴監督。今回のインタビューで監督が明かしたのは、これまでのキャリアとは一線を画す「人間そのものの面白さ」への原点回帰だった。笑いと涙が交錯する王道のコメディ映画でありながら、観客の感情を激しく揺さぶる重厚なヒューマンドラマとしての完成度を両立させるアプローチは、まさに監督の新たなる挑戦と言える。
緻密なVFX技術と人間味あふれるアナログな泥臭さを融合させた映像美は、観る者を一瞬でストーリーの世界観へと引き込む。制作陣が明かす裏話によれば、登場人物たちの細かなセリフの回しや間(ま)の取り方には、ミリ単位のこだわりが詰め込まれているという。笑いの中にふと差し込まれる切ない心情描写のバランスが絶妙で、大人が本気で泣いて笑えるエンターテインメント作品へと昇華されている。