ネット上の言論や検索クエリにおいて、一部で混同が見られるのが「菅直人(かん・なおと)氏」と「菅義偉(すが・よしひで)氏」の混同です。同じ「菅」という漢字を用いますが、読み方も政治的立ち位置も全く異なります。
菅直人氏は旧民主党出身のリベラル系政治家(第94代内閣総理大臣・2010〜2011年)であり、東日本大震災時の対応や脱原発路線で知られます。一方の菅義偉氏は自由民主党の保守系政治家(第99代内閣総理大臣・2026〜2026年)であり、官房長官を歴代最長となる約7年8ヶ月務めた実務派保守の領袖です。
また、政治力学において特筆すべきは、菅義偉氏が自民党の派閥に属さない「完全な無派閥」の出身であった点です。通常、自民党総裁になるには巨大派閥の後ろ盾が不可欠とされてきましたが、菅氏は派閥の論理に縛られず、各派閥の思惑を巧みにコントロールして頂点に立ちました。この「無派閥のドン」としての立ち位置こそが、官僚の人事権を内閣人事局で掌握し、既得権益を持つ業界団体の反発を押し切って携帯料金値下げやデジタル庁創設を成し遂げられた最大の原動力でした。