ネット上には「結膜炎は放っておけば自然治癒する」「水道水で目を洗えば治りが早くなる」といった危険な俗説が散見されます。視機能に関わる重要な器官だからこそ、医学的に正しい事実を押さえておく必要があります。
誤解①:結膜炎は目を水でよく洗えば早く治る?
【真相:悪化の原因になるため絶対にNG】
異物感や目やにが気になると、水道水や洗眼カップで目をパチパチと洗いたくなりますが、これは逆効果です。水道水に含まれる塩素はデリケートな結膜や角膜の細胞を傷つける上、目自身が分泌している防御成分(ムチンや抗体を含む涙液層)を洗い流してしまいます。さらに、洗眼カップの縁に付着したウイルスや細菌を目全体に塗り広げる結果にもなりかねません。目の周りの汚れは、清潔な使い捨てコットンや精製水を含ませたガーゼで優しく拭き取るのが鉄則です。
誤解②:ウイルス性結膜炎の特効薬はあるのか?
【真相:直接ウイルスを死滅させる点眼薬は存在しない】
現時点で、アデノウイルスを直接攻撃して死滅させる抗ウイルス点眼薬は実用化されていません。そのため、治療は「体が抗体を作って自然にウイルスを排除するのを待つ(約2〜3週間)」対症療法が基本となります。眼科で処方される点眼薬は、細菌の二次感染を防ぐための抗菌点眼薬や、過剰な炎症・角膜の濁りを防ぐための低濃度ステロイド点眼薬です。医師の管理下で適切な消炎処置を受けないと、黒目(角膜)に小さな白い濁り(角膜上皮下混濁)が残り、数ヶ月にわたって視力低下やまぶしさに悩まされる危険があります。
誤解③:コンタクトレンズは目薬を差しながら使ってもいい?
【真相:症状がある期間は完全装用中止が必須】
結膜炎の症状が出ている間のコンタクトレンズ装用は厳禁です。レンズが角膜と擦れて傷を作り、そこから病原体が侵入して重篤な角膜潰瘍を引き起こすリスクがあります。また、レンズそのものにウイルスや細菌が付着するため、治癒が大幅に遅れます。症状が完全に治まり、眼科医の許可が出るまでは必ずメガネで過ごしてください。