2014年に起きた佐世保高1女子生徒殺害事件は、日本社会全体に未曽有のショックを与えた。同級生を自宅マンションに連れ込み、凄惨な方法で命を奪ったという凶行の残虐性もさることながら、加害少女が示した特異な行動傾向と臨床的所見は、従来の少年司法の枠組みを根底から揺るがすこととなった。
捜査段階から浮き彫りになったのは、重度の精神的疾病や発達上の特異性、そして解剖行動に対する強い異常執着であった。司法と精神医療の専門家たちは、単なる性格的偏りや少年期の一時的な非行として処理することは不可能であるという現実にぶち当たった。刑事責任能力を問うこと自体の是非を含め、刑罰を与えることよりも医療的保護と収容措置を優先せざるを得ない構造がそこにあったのだ。