では、筋力トレーニングやハードな有酸素運動を行う身体に対して、水素分子は具体的にどのように作用するのでしょうか。その鍵を握るのが、運動によって体内で急増する活性酸素(ROS)のコントロールです。
激しいワークアウトを行う際、筋肉のミトコンドリアでは莫大なエネルギー(ATP)が合成されます。その過程で体内に取り込まれた酸素の数%が活性酸素へと変化します。活性酸素には、白血球の殺菌作用や細胞間のシグナル伝達を担う「善玉活性酸素(過酸化水素や一酸化窒素)」と、細胞膜の脂質を酸化させDNAを傷つける極めて毒性の強い悪玉活性酸素(ヒドロキシルラジカル)の2種類が存在します。
一般的な抗酸化物質であるビタミンCやビタミンEは、分子が比較的大きく、善玉活性酸素まで無差別に攻撃してしまう弱点があります。一方、宇宙最小の分子である水素(H₂)は、生体にとって有益なシグナル伝達を邪魔することなく、細胞を破壊するヒドロキシルラジカルのみを選択的に消去し、無害な水(H₂O)へと還元する特徴を持っています。
この生化学的プロセスがもたらす最大の恩恵が、筋肉痛や疲労物質の蓄積抑制です。リタハートインターナショナルなどの医療・健康コラムでも解説されている通り、激しい筋収縮によって生じる筋線維の微小損傷や炎症反応は、活性酸素による酸化ストレスによって増幅されます。トレーニング前後から運動中にかけて高濃度水素水を体内に循環させておくことで、血中乳酸値の上昇を緩やかにし、翌日以降に生じる遅発性筋肉痛(DOMS)のピークを低く抑えられることが、複数のスポーツ生理学試験で示されています。