近畿大学の入試システムは極めて多彩であり、方式ごとに戦い方も合格ボーダーもまったく異なります。チャンスが多い反面、それぞれの仕組みを熟知していなければ無駄な出願費用と精神的エネルギーを消費することになります。
まず秋の天王山となるのが、関西圏独特の入試形式である公募推薦入試です。近畿大学公募推薦のボーダーラインは、例年極めて高い水準で推移します。調査書の評点を得点化する方式や当日の学科試験のみで判定する方式などがありますが、試験問題の難易度が一般入試に比べて標準的・教科書レベルであるため、合格ラインは7割から人気学部では75%を超えてきます。ミスが許されない減点法勝負となるのが特徴です。
次に、国立志望者や関関同立志望者が滑り止めとして大量にエントリーするのが共通テスト利用入試です。近畿大学共通テスト利用の合格点は、前期日程の3科目型であれば文系学部で概ね75〜80%、理系学部で72〜78%程度が相場となります。情報学部や国際学部などの人気学科では82%前後の高得点率を要求されることも珍しくなく、国公立大学の中堅〜上位校を目指す受験生が手堅く枠を奪っていく構造が鮮明です。
そして最も過酷を極めるのが、3月に行われるラストチャンス、一般入試後期日程です。近畿大学後期日程の合格ボーダーは、前期日程と比べて跳ね上がる傾向にあります。募集定員が各学部とも極めて少数に絞られる一方で、国公立大学の前期・中期日程に敗れた層や、関関同立に全落ちして後がない優秀な浪人生・現役生が関西全域から殺到するためです。得点調整後の最低点ベースでも75%前後に達することが多く、倍率が10倍から20倍を超える学科も珍しくありません。後期日程は「最後に受けるお守り」ではなく、「最難関の針の穴を通す戦い」であることを覚悟しておく必要があります。