現場に居合わせた利用客の証言からは、当時の緊迫した状況が浮かび上がる。1階のレストラン街近くにいた30代の女性は、「突然、つんと鼻を突く化学薬品のような臭いが漂ってきた。周囲の人たちも咳き込んだり鼻を押さえたりし始め、すぐに警報音が鳴った」と語る。
エスカレーター付近では避難を急ぐ人々で一時的な混雑が生じたものの、警備員や施設スタッフの冷静な声かけにより、比較的整然とした立ち退きが行われた。館内アナウンスは繰り返し「落ち着いて最寄りの非常口へ移動してください」とアナウンスを流し続けたという。
屋外の駐車場スペースに逃げ出た人々は、不安そうな表情で消防隊の出動を見守っていた。防護服を着た隊員が館内へ突入していく光景は、休日のショッピングモールとは思えない異様な緊迫感を醸し出していた。