「痛みが引くどころか、しみて激痛が走った」「口の中にぬめりが残り、飲み込んでしまったのではないかと不安になった」。都内のクリニックを訪れた30代女性は、過去の皮膚トラブルで処方された余り薬を患部に塗った体験をそう振り返る。結論から言えば、皮膚外用薬を口腔粘膜に使用することは厳禁だ。
皮膚と口の中の粘膜では、薬剤の吸収速度や角質層のバリア機能が根本的に異なる。皮膚用に作られた基剤は唾液で流れやすく、成分が意図せず体内に飲み込まれるリスクが高い。さらに、患部の湿潤環境を悪化させ、粘膜障害を進行させる恐れもある。