タキシードサムのルーツを辿ると、株式会社サンリオの創業者である辻信太郎氏が掲げた「ソーシャル・コミュニケーション」の深い哲学に突き当たる。人を思いやり、心を贈る文化の象徴として世に送り出された彼のデザインには、細部に至るまで妥協なき美学が注ぎ込まれていた。
ファンを驚かせるのが、彼に纏わるユーモアあふれる「裏設定」だ。実は彼はイギリスの北極育ちで、由緒あるお家柄のお坊っちゃま。さらには、なんと365本もの蝶ネクタイを所有しており、毎日日替わりで着替えているという。食いしん坊で少しドジな性格と、英国紳士を思わせるハイソサエティな設定のギャップ。この奥行きこそが、サンリオの歴代キャラクターの中でも長年愛され続ける最大の理由である。