犯行の手順は極めて計画的かつ冷静だ。初期段階において、犯人側は金銭の話を一切口にしない。数週間、場合によっては数ヶ月を費やして日常の他愛もないやり取りを重ね、精神的な依存関係を確固たるものにする。ターゲットが完全に心を開いたと判断した瞬間に、罠の第二段階が発動する。
「2人の将来のために、一緒に資産を増やそう」。これが常套句だ。誘導されるのは、既存の有名金融機関や投資プラットフォームを精巧に偽装したWebサイト。最初は数万円程度の小額から投資させ、あえて少額の利益を出金させて信用させる。安心させたところで「今が千載一遇のチャンスだ」と高額投資を煽り、数千万円単位の暗号資産を送金させた直後、サイトごと姿を消す。