現在、報道・マスコミ業界各社は横並びの記者会見発表をベースにした報道を繰り返している。しかし、事件発生から警察への110番通報が入るまでの「空白の数十分間」については、決定的な事実関係が抜け落ちたまま報じられているのが現状だ。
現場周辺の独自取材からは、公にされていない複数のトラブルの予兆や、前夜から不審な動きを見せていた人物の存在が浮かび上がってくる。大手メディアが警察広報の確定情報を待つ間に、ネット空間では真偽不明の憶測が拡散。情報が氾濫する一方で、肝心の事件の引き金となった核心部分が覆い隠されつつある。報道のスピード競争の裏で置き去りにされたディテールこそが、この悲劇の本質を物語っている。