一方で、映画館という空間の価値も再定義されている。東宝をはじめとする大手スタジオが牽引する日本の映画興行界は、配信プラットフォームを単なる「競合」ではなく「戦略的パートナー」として捉え直すハイブリッド戦略を本格化させた。その筆頭がAmazon Prime Videoだ。
劇場公開から配信移行までのウィンドウ期間は劇的に短縮され、あるいは最初から劇場公開と世界同時配信を連動させる野心的なプロジェクトが水面下で動いている。興行収入の初速を劇場で最大化し、その熱気を冷まさないままVODへと波及させる。この緻密なエコシステムが、映画ビジネスの収益構造とファンの鑑賞体験に劇的な進化をもたらしている。