心理学や脳科学の専門家も、この現象に注目している。人間の脳は、実は非常に騙されやすい器官だ。言葉として発せられた情報は、客観的な事実よりも優先して脳の扁桃体や前頭葉に処理されることがある。
感情が伴っていなくても、ポジティブな言葉を口にすることで、脳は「今、自分は楽しい状態にあるのだ」と錯覚する。結果として、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が抑えられ、代わりにドーパミンやセロトニンといった幸福感をもたらす神経伝達物質が放出されやすくなる。つまり、言葉が先で、感情は後からついてくるというメカニズムだ。