多くのドライバーが「自分の車は燃えない」と考えがちですが、消防庁の統計データによると日本国内では年間約3,500件前後の車両火災が発生しており、決して他人事ではありません。では、車炎上はなぜ起きるのでしょうか。主な車両火災の出火原因は、大きく分けて「機械・油脂類のトラブル」「電気系統の不具合」「タイヤ・ブレーキの摩擦熱」「車室内の危険物」の4つに分類されます。
ガソリンエンジン車の場合、劣化したホースやパッキンから漏れたガソリンやエンジンオイルが、高温になったエキゾーストマニホールド(排気マニホールド:通常走行時でも600℃〜800℃に達する)に接触して引火するケースが典型例です。また、バッテリーターミナルの緩みや市販の電装品(ドライブレコーダー、後付けイルミネーション等)の配線被覆の破断によるショート火災も後を絶ちません。
さらに2026年現在、普及台数の増加とともに注目されているのがEVバッテリーの発火原因です。電気自動車やプラグインハイブリッド車に搭載されている高密度リチウムイオンバッテリーは、外部からの強い衝撃やフロア下部の強打、内部短絡によって「熱暴走(サーマル・ランナウェイ)」を起こすリスクがあります。一度熱暴走を起こすと、バッテリーセル内部で自己発熱と酸素供給が連続して発生するため、通常の内燃機関車とは異なる極めて鎮火の難しい火災特性を示します。