日本人が神社に向ける視線は、近年カルチャーの側面からも劇的にアップデートされた。新海誠監督の『君の名は。』や『すずめの戸締まり』といった大ヒット劇場アニメは、見慣れた日常風景と異界を結ぶ境界線として神社や廃墟の扉を描き出した。作品を通じて神道的な世界観に触れた若い世代が、身近な寺社仏閣へ注ぐ視線は極めて新鮮だ。
映画のロケ地やモチーフとなった社だけでなく、全国各地の路地裏にある小さな祠にまで「物語の欠片」を探すファンが訪れている。かつては高齢者の憩いの場だった境内が、ポップカルチャーとの共鳴によって新たな観光資源や文化発信地へと生まれ変わる。観光業の現場でも、巨大な観光地開発ではなく、足元の地域文化を掘り起こすマイクロツーリズムの重要性が叫ばれている。