2014年の夏、世界的な社会現象となったのが「ALSアイスバケツチャレンジ」です。指名された人物が氷水を頭からかぶるか、ALS協会に寄付を行うか(あるいはその両方)を選択し、次の挑戦者を指名するバイラルキャンペーンでした。
ビル・ゲイツ氏やマーク・ザッカーバーグ氏、レディー・ガガ氏をはじめ、日本でも数多くの著名人や経営者が参加したことで、世界中で約2億2,000万ドル(当時のレートで約250億円以上)の寄付金が集まりました。一時的なブームや売名行為ではないかという批判も一部でありましたが、この資金の投入によってALS研究は劇的な加速を遂げました。
集まった巨額の資金は世界中の基礎研究チームや治験ネットワークに配分され、新たな関連遺伝子(NEK1など)の同定や、新薬の臨床試験プロジェクトに直接投入されました。現在実用化されている新規治療薬の幾つかは、このキャンペーンによる資金援助がなければ数年遅れていたと言われており、社会啓発と科学的成果を結びつけた歴史的転換点として評価されています。