にし茶屋街の大きな特徴が、金沢三茶屋街の中で最も多くの芸妓が在籍しているという点です。観光客向けのショップが並ぶ昼の顔だけでなく、日が暮れれば本物のお座敷が繰り広げられる現役の芸処としての顔を持っています。
通りの中ほどに佇む西検番事務所は、大正11年(1922年)に建てられた木造2階建ての洋風建築で、国の登録有形文化財に指定されています。ここは現在も芸妓衆の稽古場や管理事務所として機能しており、夕刻になると建物から三味線や太鼓の澄んだ音色、唄の稽古の声が路地へと漏れ聞こえてきます。
また、通りの入口近くにある「金沢市西茶屋資料館」では、かつてのお茶屋の内部構造を再現した部屋や、作家・島田清次郎ゆかりの資料が無料で公開されています。金沢の芸妓文化や旦那衆の粋な遊びの歴史を深く学ぶことで、街歩きの解像度が一段と高まります。