京本大我がアイドルという枠組みを超え、芸術家として批評家筋からも絶賛される決定打となったのが、本格派ミュージカルへの進出です。その最大の転換点は、東宝ミュージカルの最高峰と呼ばれる『エリザベート』におけるオーストリア皇太子・ルドルフ役の獲得でした。
2015年、数多くのミュージカルエリートが挑んだ厳しいオーディションを完全な実力で勝ち抜き、当時20歳でルドルフ役に抜擢。儚くも気品に満ちた佇まいと、劇場の天井を突き抜けるような繊細かつ力強い歌声は、目の肥えた演劇ファンを震撼させました。その後、2016年、2019年と再演を重ねるごとに表現の深みを増し、「歴代最高峰のルドルフ」と評されるまでになりました。
その後もブロードウェイミュージカル『ニュージーズ』の主演ジャック役、世界初演のミュージカル『流星の音色』での音楽兼主演、名作『シェルブールの雨傘』のギィ役、そして帝国劇場の大型ミュージカル『モーツァルト!』のタイトルロール主演へと登り詰めました。彼の歌唱法は、一般的なJ-POPアイドルが用いるチェストボイス主体ではなく、クラシックやベルカント唱法の基礎を取り入れたミックスボイスと、寸分の狂いもないピッチコントロールが特徴です。