食のカルチャーもまた、このエリアの魅力を語る上で外せない。腹を空かせた学生たちの胃袋を満たしてきた大盛りカレーの老舗や、昭和の面影を残す定食屋が今も健在である一方で、新しい食の波が確実に押し寄せている。
ここ数年、海外での修業を終えたZ世代の若手シェフたちが、地元産の京野菜や発酵食品を実験的に取り入れたカジュアルフレンチや、最先端のローカルクラフトビールバーを相次いでオープンさせた。敷居は低いが、味覚へのこだわりは徹底的だ。かつて学生としてこの街で過ごした世代が店主となり、現役の学生や研究者、さらには海外からの滞在者を客として迎え入れる。食卓を挟んで交わされる議論は夜更けまで途切れない。世代を超えた知覚の交差点として、飲食店が重要なコミュニティハブとして機能しているのだ。