文化的な背景もさることながら、一人の旅人としてこの地を訪れた者を魅了するのが、その圧倒的な景観美だ。鬱蒼とした宇佐山の原生林に包まれた境内に、一際鮮やかな朱色の楼門が映える。「近江造り」と呼ばれる昭和期の意匠を凝らした建築美は、周囲の自然と完璧な調和を見せている。
春の桜、初夏の深緑、秋の眩い紅葉、そして雪化粧を纏う冬。四季折々で見せる表情の違いは、フォトグラファーや旅人のインスピレーションを刺激し続けている。とりわけ早朝、朝靄が境内に薄く立ち込める時間帯の静けさは圧巻だ。観光客の手が届かないわずかな時間、凛とした空気の中で静寂と向き合うひとときは、旅のハイライトと言っていい。