京王線の急行に関して、SNSやコミュニティサイト上で散見される代表的な誤解が「特急がある以上、急行に乗るメリットは薄い」という言説です。しかし、これは現場の運行実態を見落とした短絡的な見方といえます。
見落とされがちな盲点の筆頭は、都営新宿線直通列車の存在です。日中や夕夜間の特急は基本的に京王線新宿駅発着がメインですが、急行は新線新宿・都営地下鉄方面へ直通する便が多数設定されています。九段下、神保町、小川町、岩本町といった都心主要ビジネス街へ向かう場合、本線新宿で長い地下通路を歩くタイムロスを考慮すれば、直通急行を利用するほうがドアツードアの所要時間は圧倒的に短縮されます。
また、有料座席指定列車「京王ライナー」との棲み分けも明確です。追加料金(一律410円)を払って確実に着席したい帰宅ラッシュ時には京王ライナーが圧倒的な支持を集めますが、頻発運行される一般列車の急行は、追加コストなしで機動的に利用できる高密度ダイヤの要として機能し続けています。