「家族に鷲鼻の人はいないのに、自分だけ鼻筋が出っ張ってきた」という相談は美容クリニックでも珍しくありません。鷲鼻を形成する要因は、先天的(遺伝)なものと後天的(発育環境・外傷)なものに二分されます。
先天的要因としては、骨格形成を司る遺伝情報の関与が大きく、両親や祖父母のどちらかに鼻骨・軟骨の発達傾向があれば高確率で引き継がれます。しかし、乳幼児期の鼻は軟骨組織が未発達で全体的に丸みを帯びているため、遺伝的な素因を持っていても幼少期には表面化しません。
顕著に現れるのは、第2次性徴を迎える12歳から18歳頃の成長期です。この時期、頭蓋骨の成長とともに鼻骨が急速に前上方へ伸びますが、鼻腔を左右に仕切る「鼻中隔軟骨」の成長スピードと鼻骨の成長バランスにズレが生じることがあります。軟骨が骨に押し出されるようにして接合部が盛り上がり、ハンプが形成されるのです。
さらに見逃せないのが後天的な外傷リスクです。学生時代の球技や格闘技、不慮の事故による鼻骨骨折を放置したり、不完全な整復のまま骨癒合が進んでしまったりした場合、仮骨(折れた骨を修復するために作られる骨)が過剰に盛り上がり、後天的な段鼻・鷲鼻へと変化するケースが臨床データ上も確認されています。