病院側の選定療養費にとどまらず、自治体・消防本部レベルで救急搬送に対する金銭的負担を導入したことで全国的な注目を集めたのが、三重県松阪市の救急車有料化モデルです。
松阪市内の3つの基幹病院(松阪中央総合病院、松阪市民病院、済生会松阪総合病院)では、救急搬送された患者のうち、医師に入院の必要がない「軽症」と判断された場合、選定療養費として1人あたり7,700円の支払いを求める運用を実施しています。この施策導入の決定的な理由は、救急出動件数の激増と、それに伴う救急医療体制の崩壊危機でした。
「かすり傷程度」「深夜のタクシー代わりに呼んだ」「昼間行くのが面倒だった」といった悪質な不要不急の利用に対して、実質的なペナルティを課すことで、出動件数を抑制し、一分一秒を争う重症患者の搬送遅延を防ぐ狙いがあります。