「救急救命士=消防士」と同一視されることが多いですが、両者は明確に異なります。消防士(消防吏員)は地方公務員の身分・職種であり、救急救命士は医療行為が認められた国家資格です。
消防本部で救急隊員として活動するためには、原則として「消防吏員採用試験」に合格して公務員として採用される必要があります。資格を保持していても消防採用試験に落ちれば消防署で働くことはできません。給与面においても、消防吏員と医療機関勤務では大きな差が見られます。
総務省の地方公務員給与実態調査などを踏まえると、消防本部に勤務する救急救命士の年収は、夜間出動手当や特殊勤務手当などが加算され、30代で年収550万〜700万円前後に達します。一方、近年急増している病院勤務の「病院救急救命士」や民間救急事業者の場合、医療法人や企業の給与規定に準じるため、年収320万〜480万円前後が相場です。
法改正により病院内での静脈路確保や重症患者搬送のコーディネートなど業務範囲が拡大したことで、「公務員には拘らず、地域医療連携の要として病院で働きたい」という専門志向のキャリアパスも確立されつつあります。