三鷹ストーカー殺人事件の全貌と裁判の行方は、既存の法制度の限界を白日のもとに晒し、法改正に向けた巨大な世論のうねりを生み出した。失われた尊い生命と遺族の悲痛な訴えが、後手に回りがちだった政治と行政の背中を強力に突いたのである。
事件の翌年、被害者の性的な私的画像を無断で公表・拡散する行為を直接処罰する「リベンジポルノ防止法」がスピード成立した。同時に、SNSや電子メールを悪用した連続送信なども処罰対象に加える「ストーカー規制法」の再改正が実施された。法制度のエアポケットで起きた凄惨な事件が、結果として日本の防犯法制を前進させる契機となった。