西脇美智子が世に出した写真集やグラビアが、単なるスキャンダルや話題作りにとどまらず、いまも伝説として語り継がれている最大の理由は「女性の肉体美の定義を根底から覆した点」にあります。1980年代半ば、篠山紀信をはじめとする著名写真家がファインダーに収めた彼女のヌードは、従来の「たおやかで華奢な女性美」とは対極に位置する、極限まで絞り込まれた腹筋と美しいカットを持つ筋肉美でした。
当時、女性がウェイトトレーニングで身体をビルドアップすることには偏見も多く存在しました。しかし、彼女の引き締まった広背筋としなやかなプロポーションが融合したヌードグラビアは、エロティシズムを超えた「力強い機能美」として国内外のアートシーンやカルチャー誌から絶賛を浴びることになります。
彼女自身、インタビューなどで「自分の鍛え上げた身体を最高の状態で記録に残したかった」と語っており、媚びのない堂々たるポージングが女性層からも圧倒的な支持を獲得。この潔いセルフプロデュース力こそが、のちに海を渡って過酷な海外映画界を生き抜く原動力となりました。