『鮫島、最後の十五日』は、主人公・鮫島鯉太郎があるひとつの大相撲本場所にすべてを懸ける物語です。度重なる激闘によって肉体は限界を超え、骨折や内臓のダメージ、視力の低下など、満身創痍となりながらも「相撲を愛する心」だけで一日一番を戦い抜いていきます。
読者の胸を締め付けたのは、作中の鮫島の姿と、執筆を続けた佐藤先生の熱量が完全にシンクロしていた点でした。十三日目の結びの一番、宿敵であり最大の壁である大関・泡影(ほうえい)との取組を前に、物語は未完となりました。
週刊少年チャンピオン2018年33号に掲載された第180話が絶筆となり、単行本第20巻には佐藤先生が生前遺した未完原稿とネーム(下描き)、設定資料がそのまま収録されました。最後のページに描かれていたのは、傷だらけの鮫島が土俵上で前を見据え、命を燃やして立ち合いへと踏み出していく姿でした。きちんとした結末は描かれませんでしたが、鮫島鯉太郎が最後まで力士として生き抜いた証が鮮烈に焼き付けられ、多くの読者に深い感動を残しました。