多くの人が「毎年健診を受けているから大丈夫」と過信している。しかし、一般的な健診項目に含まれる「空腹時血糖値」や「HbA1c」の数値が正常範囲内であっても、食後のわずか2時間程度の間にだけ発生する血糖跳ね上がり現象は検出できない。これが「隠れ糖尿病」や「隠れ高血糖」と呼ばれる所以である。
日本糖尿病学会の要職を務め、最新の糖尿病学研究を牽引する矢部大介教授をはじめとする専門家らは、この隠れた食後高血糖が血管壁を傷つけ、動脈硬化や血管の早期老化を促進するリスクについて強く警告を発している。厚生労働省が運営する医療・健康情報サイト「e-ヘルスネット」でも、食後高血糖の早期発見が心筋梗塞や脳卒中といった重篤な心血管疾患を防ぐ鍵であると位置づけられている。予防医学の観点からも、健康診断の数字だけに満足せず、食後の身体反応に耳を傾けることが不可欠なのだ。