吉本の半世紀以上の歴史を語る上で、松本人志と明石家さんまという二大巨頭の存在を抜きにすることはできない。ダウンタウンの松本人志が提示した斬新な笑いの構造、そして明石家さんまが体現し続ける圧倒的な即興性とトークの美学。この両名が築いた金字塔は、日本におけるお笑いの概念そのものを形作ってきた。
だが、時代は確実に動き始めている。二人の偉大な背中を見ながら育った若手たちは、テレビ主体の成功モデルとは異なるアプローチで頭角を現し始めた。YouTubeや音声配信など自前のメディアを持つ若手世代の台頭は、レジェンドたちが築いた絶対的な価値観に対する心地よい挑戦であり、新旧交代に向けた静かな熱気をもたらしている。