捜査の最前線に立つ警視庁組織犯罪対策部の視線は、極めて鋭い。従来の恐喝やみかじめ料の徴収といった古典的な手口は、法的な包囲網によってほぼ息の根を止められた。現在の主戦場は、金融取引、不動産流動化、そして巧妙にカムフラージュされた企業舎弟のネットワークだ。
組対部は資金の流れを可視化するため、金融機関との連携を極限まで強化している。口座一つ開くことすら許されない環境下で、資金の枯渇は組織の存亡に直結する。摘発のリスクを冒してグレーゾーンに手を伸ばすのか、それとも徹底して沈黙を守るのか。捜査員との知恵比べは、目に見えないサイバー空間や商業取引の裏側で繰り広げられている。