メガホンを取るのは、『デューン 砂の惑星』シリーズで映像美の極致を提示したドゥニ・ヴィルヌーヴだ。広大なスケールと哲学的テーマを融合させる名匠が、本作で挑むのは徹底して冷徹なディストピアの世界観である。監督に近い制作スタッフは、今回のビジュアル構築がこれまでのどの作品よりも先鋭的であると明かす。
過度な装飾を削ぎ落としたミニマリズムと、巨大な建造物が織りなす圧倒的なコントラスト。ヴィルヌーヴ監督は、環境破壊と情報統制によって分断された未来社会を、詩的でありながら息苦しいリアリズムをもってスクリーンに刻み込もうとしている。彼が描く新たなSF映画の地平は、観客の倫理観そのものを強烈に揺さぶるはずだ。