劇界の革命児・市川猿翁が遺した熱狂とスーパー歌舞伎継承の真相

劇界の革命児・市川猿翁が遺した熱狂とスーパー歌舞伎継承の真相

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『ヤマトタケル』の大成功に甘んじることなく、猿翁はさらなる地平を目指した。1999年に幕を開けた『新・三国志』シリーズである。中国の壮大な歴史絵巻を背景に、義と愛、国家の興亡を描いたこの作品は、もはや一国の古典劇のスケールを遥かに超えていた。

何十人もの兵士が入り乱れる大立ち回り、舞台装置が唸りを上げて転換するスペクタクル。そこで描かれたのは英雄たちの華々しい武勲ではなく、戦火に散っていく名もなき民への眼差しだった。猿翁の演出は、壮大なエンタメの衣をまといながら、常に痛烈な反戦と人間賛歌のメッセージを内包していた。

石川 優花
著者

石川 優花

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。