家庭で山芋ステーキを作る際、多くの人が「油を引いて切った山芋をそのまま焼く」という手順を踏みがちです。しかし、これがベチャつきの根本原因です。山芋や長芋は約80%以上が水分で構成されており、そのまま加熱すると断面から大量の水分が染み出してフライパンの温度を下げ、焼き料理ではなく「蒸し煮」のような状態に陥ってしまいます。
居酒屋の厨房で実践されている山芋ステーキ 焼き方のコツは、極めて明確な3つのステップに集約されます。
第1に、切った直後の水分コントロールです。厚さ1.5cm〜2cmほどの輪切りにした後、キッチンペーパーで表面のヌメリと水分を徹底的に拭き取ります。第2に、表面への粉打ちです。片栗粉をごく薄く全体にまぶすことで、加熱時に衣が瞬時に糊化(α化)し、内部の水分蒸発を防ぐバリア層を形成します。これにより「外はカリッ、中はホクホク」というコントラストが生まれます。
第3のポイントは油の温度管理と触らない我慢です。フライパンにサラダ油やごま油を中火でしっかり温めたら、山芋を並べて最初の2〜3分間は一切動かさずに焼き色をつけます。頻繁にひっくり返すと温度が下がり、油を吸って重い仕上がりになってしまいます。焼き色がついてから裏返し、蓋をして弱火で1分ほど蒸し焼きにすることで、芯までふっくらと熱が通ります。