「やげん」という一風変わった呼び名は、昔の薬調合道具である「薬研(やげん)」に形状が似ていることに由来する。漢方薬をつぶす舟形の器具にそっくりなV字型の形が特徴で、鶏肉1羽からわずか1本(約30g〜50g程度)しか取れない極めて希少な部位だ。具体的な器官としては、鶏の胸骨(きょうこつ)の先端にある柔らかい軟骨部分を指す。
膝の関節部分にあたる「ひざ軟骨(げんこつ)」が丸くコリコリとした強い硬さを持つのに対し、胸骨周辺の軟骨は肉が適度に残されている。そのため、軟骨ならではの歯触りと、ジューシーな鶏肉本来の旨味を一度に味わえるのが最大の魅力である。