ウェブ検索やSNS上で非常に頻繁に見受けられる重大な誤解が、「石川県津幡町の倶利迦羅不動寺」と「愛知県名古屋市守山区にある大本山 倶利加羅不動寺」の混同です。
検索上位に表示されるレビューやクチコミの中に、「滝行ができる」「チベット仏教の寺院(強巴林・チャンバリン)が併設されている」「境内に龍カフェというカフェがある」といった記述を見かけることがあります。しかし、これらはすべて愛知県名古屋市守山区にある寺院(昭和期に森下永敏大僧正が開創した別法人)の実態であり、石川県津幡町の高野山真言宗別格本山・倶利迦羅不動寺とは歴史的系統も所在地も全く異なります。
石川県津幡町の倶利迦羅不動寺が誇るのは、約1300年の古代から続く元正天皇勅願寺としての歴史、源平合戦の古戦場という地政学的背景、そして平安寝殿造りを再現した鳳凰殿の壮大なスケールです。旅行計画や巡礼ルートを策定する際は、ナビゲーションの目的地設定が「石川県河北郡津幡町」になっているかを必ず確認してください。
また、もうひとつの盲点は「山頂本堂周辺の気候と足元」です。標高270m前後の山頂は、市街地と比べて気温が2〜3度低く、日本海側特有の突風や降雨に見舞われやすい地理条件にあります。参道には急な石段や未舗装の遊歩道も含まれるため、ヒールや革靴などの軽装で訪れると参拝に難儀することになります。歩きやすい靴と、体温調節が容易な上着を準備して臨むのが鉄則です。