客足の好調を支えているのは、館内の魅力だけではない。西伊豆町観光協会が長年推し進めてきた「西伊豆夕陽プロジェクト」による地域ブランディングが、海岸沿いのドライブ客を強力に惹きつけている。日本一の夕陽を誇る町としてのプロモーションは、SNS時代の写真映え需要と完璧にリンクした。
さらに、アニメやドラマで社会現象となった『ゆるキャン△』の舞台として西伊豆が描かれたことも、若年層の流入を決定づけた。作品に登場した海岸線やビュースポットを巡るファンが、旅の拠点として宇久須温泉周辺を選択するケースが急増している。
これまで中高年層が中心だった西伊豆の観光動態は、カルチャーと絶景をフックにした若年層やソロ旅行者の参入によって大きく塗り替えられた。幅広い世代が同じロビーを行き交う光景は、地域全体の観光地活性化における一つの成功事例を示している。