一般に「殺陣」が敵味方の攻防を描く対話劇であるのに対し、「剣舞」は吟詠や音楽に合わせて刀や扇を扱い、武人の精神性を舞として昇華させる表現様式である。紅桜剣舞会はこの二つの境界を自在に行き来する。
彼らの舞台演出における最大の特徴は、対峙する者同士の「間合い(Ma-ai)」のコントロールにある。距離が近すぎれば殺気は削がれ、遠すぎれば緊張の糸が切れる。命をかけた攻防の臨場感を再現するため、演者たちは互いの息遣いと重心移動を完全と同調させる。静寂が破れる瞬間の爆発力と、技が終わったあとに残る「残心(Zanshin)」の余韻。このコントラストこそが、紅桜剣舞会独自の美学を作り上げている。