公開当初の熱狂的なブームを経て、新海誠 聖地 現在の様子はどう変化したのでしょうか。現地を取材・定点観測すると、一時的な観光消費から、地域に根ざした持続可能な文化交流へと成熟している姿が見て取れます。
飛騨古川では、公開当時に殺到したファンの受け入れを契機に、町並みの保存や伝統工芸「組紐」の体験プログラムが定着しました。観光案内所関係者によると、「一過性の流行で終わることなく、作品をきっかけに飛騨の歴史や食文化を愛してくれるリピーターが現在も途切れない」といいます。
都内の須賀神社周辺でも、かつてのような大混雑は落ち着きを見せ、静かに景色を眺めながら物語に思いを馳せる巡礼者が目立ちます。映像美で描かれた街並みが10年を経ても色褪せないのは、新海監督が実在する都市のディテールと日常への愛着を丁寧に描写していたからに他なりません。