劇中で瀧と三葉がすれ違いざまに互いを振り返り、「君の名前は――」と声を掛け合うクライマックス。涙なしには見られない屈指の名場面の背景として描かれたのが、須賀神社の男坂(おとこざか)と呼ばれる急勾配の石段です。
この階段は、単にラストシーンに登場するだけでなく、劇場公開前のポスターやパッケージを飾った君の名はのキービジュアルのモデルとしても広く知られています。鮮やかな朱色の手すり、規則正しく積まれた石段、そして階段の上から見下ろす東京の住宅街のスカイラインは、アニメーションの精密な背景美そのままに現実の空間へと繋がっています。
君の名はのラストシーンの場所を特定したファンによる発掘から始まったこの地は、公開から10年近くが経過した今もなお色褪せることなく、新海ワールドの原点ともいえる情緒を放ち続けています。