事業の質的転換こそが、評価を一変させた最大の要因だ。伝統的な非鉄金属製造業として銅鉱山開発や製錬を手がけてきた同社は、数年前から高付加価値分野へのシフトを急速に進めてきた。JX金属株式会社を率いる林陽一代表取締役社長は、収益性の変動が激しい市況型ビジネスから、高度な技術参入障壁を持つ構造へと舵を切った。
その中核を担うのが、世界トップシェアを誇る高純度金属・スパッタリングターゲット事業だ。AIサーバーや先端スマートフォンに使われる超微細半導体の製造現場において、同社のスパッタリングターゲット薄膜材料なしに最先端チップを作ることは極めて困難とされる。世界的な半導体用高機能材料産業の拡充に伴い、同社の受注残高は極めて堅調であり、中長期的な業績の見通しには揺るぎない確信が漂う。