「六根清浄」の読み方は「ろっこんしょうじょう」。その起源は古代インドから中国を経て日本に伝来した仏教の経典『法華経』などに由来します。仏教の教理において「六根」とは、外界の事象を認識するための6つの器官および感覚機能(眼根・耳根・鼻根・舌根・身根・意根)を指します。
人間はこれらの器官を通じて欲や怒り、執着といった「煩悩の穢れ」を生み出してしまいます。山岳信仰の修験者(山伏)たちが霊山を登る際、過酷な肉体苦行の中で「六根清浄、お山は晴天」と連呼したのは、感覚器官から生じる一切の迷いを断ち切り、心身を清浄無垢な境地へ導くためでした。
なお、日本人が重い腰を上げる際に口にする掛け声「どっこいしょ」の語源も、この修験者が唱えていた「六根清浄(ろっこんしょうじょう)」が長い歳月をかけて転訛したものという説が国語学・民俗学において有力視されています。日常に溶け込んだ言葉の奥底には、日本古来の信仰と精神文化が息づいています。