厚生労働省が公表した最新の「賃金構造基本統計調査」によると、日本の看護師(正看護師)の平均年収は約505万〜515万円前後で推移しています。過去5年間の看護師平均年収推移を振り返っても、賃上げ政策による微増は見られるものの、一般的な病院組織でスタッフナースとして働いている限り、基本給の上限は頭打ちになるのが通例です。
では、看護師年収1000万割合はどの程度存在するのでしょうか。公的統計および医療経営関連の調査資料を精査すると、年収1000万円を超える看護師は全体のわずか0.4%〜0.8%程度にとどまります。100人に1人も存在しない極めて狭き門であり、通常の病棟勤務で夜勤を月4〜5回こなす程度では、どれほど残業代を積み増しても到達不可能な領域です。
さらに見落としてはならないのが税金の壁です。仮に大台を達成した場合、看護師年収1000万手取りの現実的な金額は約710万〜730万円(ボーナス比率や扶養家族の有無で変動)となります。所得税の累進課税率が跳ね上がり、住民税や厚生年金・健康保険料が大きく差し引かれるため、月々の実際の手取り額は45万〜50万円前後、残りが年2回の賞与という配分が一般的です。「額面の数字ほど贅沢な暮らしはできない」と語る達成者は少なくありません。
なお、役職ポストへの最短ルートを狙うケースが多い男性看護師年収1000万の達成例を見ると、救急医療や集中治療室(ICU)、手術室での専門看護師・認定看護師資格を足がかりに、30代後半から40代で事務長や看護部長クラスへ抜擢された事例や、男性特有の体力任せで救急指定病院の当直枠を買い取る過酷な勤務形態が散見されます。