長い間「身体が温まらない悪い入浴法」と断じられてきた短風呂だが、近年の温泉医学や自律神経研究は意外な側面を提示している。熱い湯に長湯することは、血管の急激な拡張やヒートショックのリスクを高め、心臓への負担を増大させる。特に冬場や疲労時において、過度な長湯は百害あって一利なしだ。
3分から5分程度のぬるま湯入浴、あるいはシャワーと部分浴を組み合わせた急速な入浴法は、交感神経の過剰な興奮を抑えつつ皮膚の乾燥を防ぐ合理的なアプローチとして見直されている。かつて揶揄された烏の習性は、時間追究型社会を生き抜く現代人にとって、皮肉にも最適なコンディショニング術になり得るのだ。