1970年代初頭、テレビの急速な普及に伴い、日本映画産業は未曾有の構造転換を迫られていた。大手配給会社が観客動員の激減に喘ぐなか、起死回生の一手として過激なプログラムピクチャーを量産したのが東映株式会社である。任侠映画のブームが落ち着きを見せるなか、同社が放った新たな起爆剤、それこそが「ピンキー・バイオレンス」と呼ばれる新ジャンルだった。
この過激なムーブメントの中心にいたのが、名匠・鈴木則文監督である。鈴木監督は旧来の男性中心主義的なアウトロー映画を換骨奪胎し、抑圧された女性たちの反逆と暴力、そして性愛をポップかつアナーキーな映像美へと仕立て上げた。その過激な世界観を一身に背負い、鮮烈なデビューを飾ったのが池玲子だった。彼女の放つ野性味あふれる眼差しと退廃的な色香は、既存の映画界のモラルを容赦なく打ち壊していった。