この雪道の絶望感を日本人の記憶に鮮烈に刻みつけた金字塔といえば、真保裕一による傑作警察小説であり、映画『ホワイトアウト』だろう。織田裕二が主演を務めた実写映画版は、厳冬の巨大ダムを舞台に、視界ゼロの極限下で繰り広げられる過酷な戦いを圧倒的リアリティで描き出し、当時の観客を震撼させた。
劇中で描かれた猛烈な自然の脅威と、一歩足を踏み外せば谷底へ転落する絶望感は、単なるパニック・サスペンス映画の枠を超え、雪害の真の恐ろしさを伝える教訓的価値すら秘めていた。あのスクリーン越しの白い暗闇は、決してフィクションの世界だけの話ではない。