インターネット上の掲示板やSNSでは、科特隊の制服に関して一部で誤った情報が拡散されることがあります。その代表例が「東宝特撮映画の自衛隊衣装をオレンジ色に染め直して流用した」という言説です。
公式資料および当時の衣装製作を担当した東宝ステージ衣装スタッフの記録を検証すると、この噂は完全な誤りであることが分かります。科特隊の制服は、成田亨氏のデザイン画をもとに、型紙の作成から生地の手配に至るまで完全に新規で誂えられたオートクチュール仕立てでした。襟の刻み幅や胸ポケットの角度、ネクタイを美しく見せるVゾーンの深さに至るまでミリ単位の指定がなされており、既存軍服の流用ではあの独特のフォルムを生み出すことは不可能です。
また、劇中を通して同一の衣装が使われ続けたと思われがちですが、実際には初期エピソードと後期エピソードで生地の質感やボタンの留め具仕様、ベルトループの形状などに細かな改修が加えられています。アクション用とアップ撮影用で素材の厚みを使い分けるなど、撮影現場での試行錯誤が幾重にも積み重ねられていたのが実態です。