このプロジェクトが持つ最大の強みは、単なる犯罪録の再現にとどまらない点にある。西海岸ストリートカルチャーの発生地としての側面と、そこに生きる人々の苦悩や絆が、重厚なヒューマンドラマとして紡がれていくのだ。スケートボード、グラフィティ、ヒップホップといったカルチャーの裏側に潜む若者たちの叫びが、鮮明な映像とともに響き渡る。
センセーショナルな事件性ばかりを煽る従来のクライム・ドキュメンタリーとは一線を画し、カメラは家族の食卓や路地裏の日常へとしなやかに入り込む。苛酷な環境下で生き抜く人々の誇りと絶望、そして再生への希望を描き切ることで、作品はエンターテインメントの枠を超えた社会批評としての強度を獲得している。