日本語の正しい発音では、呼気(吐く息)が舌の中央を通って前方にまっすぐ抜けていきます。しかし、側音化構音では舌の奥や側面が上あごに過度に接触し、息が左右のどちらか一方(または両側)の奥歯の隙間から漏れ出る状態に陥っています。息が側面から擦れるように抜けるため、「キ」「シ」「チ」「ジ」などの音が「クチュ」「ヒ」「シィ」といった特有の歪んだ音に変化してしまうのです。
側音化構音の根本的な原因として、器質的な異常(口蓋裂や舌小帯の短縮など)がないにもかかわらず起こるケースが大半を占めます。発音を覚える幼児期に、たまたま舌を横に引き絞って音を出す癖が定着してしまい、脳と舌の筋肉がその誤った運動パターンを「正しい発音」として記憶してしまうことが主な要因です。特に口を横に引いて発音するイ列(き・し・ち・じ・に・りなど)の音で顕著に現れます。