ペギー葉山さんの人生を語る上で欠かせないのが、1965年に結婚した名優・根上淳さんとの深い夫婦愛です。大映の看板スターとして活躍した根上さんと、トップ歌手として多忙を極めたペギーさんの結婚は、当時「おしどり夫婦」として芸能界の羨望の的でした。
平穏な日々に大きな試練が訪れたのは1998年、根上さんが脳梗塞で突如倒れたことに始まります。一命は取り留めたものの右半身麻痺と言語障害が残り、持病の糖尿病も重なって要介護状態となりました。当時、多忙な芸能活動を抱えていたペギーさんでしたが、施設に預けきりにするのではなく、自宅での献身的な介護を選択します。
当時の著書やテレビ特番の手記で語られた介護の現実は、想像を絶する過酷さでした。
- 夜間の見守りと体位変換:睡眠時間を削りながらの排泄介助や床ずれ防止ケア。
- 歌手活動との両立:ステージ衣装に着替える直前まで夫の食事介助を行い、コンサートが終われば寄り道せず自宅へ直行する日々。
- 心の葛藤とリハビリ:「プライドの高い夫が弱音を吐けない辛さ」を受け止め、明るい言葉をかけ続ける精神的負担。
ペギーさんは後に「介護はこれまで注いでくれた愛への返礼」と語り、愚痴ひとつこぼさず2005年に根上さんが82歳で旅立つまでの約8年間、見事に支え抜きました。この経験は、日本社会における高齢化と「老老介護」「家族ケア」のあり方に一石を投じる先駆的な事例としても広く記憶されています。